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2009年1月 8日 (木)

元旦の新聞

今年もよろしくお願いいたします。

一月一日、元旦といえば新聞社各紙がこぞって力を入れて報道するというのが常だ。2008年でいえば、毎日新聞では久間章生元防衛相が知人男性から1億円受領した問題を報道したり、朝日新聞では環境の変化が原因でアフリカで紛争が起きている事例をルポして、人道的問題でも経済問題でもない「環境問題」を提起するなどして健闘した。

今年は各紙とも経済問題が中心となるのはなんとなく予想がつく。一紙ずつ見ていきたい。

①朝日新聞 (3.0)

一面は「陰るハリウッド」。カネも仕掛けも行き詰まり元気の無くなったハリウッドをアメリカの象徴として捉えている感がある。二面ではハリウッドの漂流に対して、イギリスではプレミアリーグの一大ビジネスバブルの崩壊を描く。どちらも暗い内容だが、プレミア七部リーグの「FCユナイテッド・オブ・マンチェスター」がそこそこおもしろい。かつて、マンチェスターユナイテッドを応援していたサポーターの有志が05年の買収を機に「投資目的の米国人に魂を売り渡したクラブは愛せない」と、新しいクラブを立ち上げた。ユニホームの胸には広告は入れず、サポーターが手軽に株主になれる仕組みを設け、投資額の大小に関わらず一人は一票の原則で運営しているという。普通の人はわからないかもしれないが、マンチェスターという土地柄を考えるとほんとおもしろいと思うんだけれど。

国際面では冷戦終結から20周年の特集。回顧的な記事なので、ちょっと物足りないかなという印象。社会面では逆風の中元気のある企業をとりあげた特集が組んである。が、悪くはないんだけれど、発想の段階で少し普通かな。他に一面と社会面では、準大手ゼネコン「西松建設」の1億円超の裏金を作っていたという調査報道をスクープ。献金先の政治団体とのつながりも匂わしてはいるが、結局詳細はこの日の記事でははっきりせず。正月にしては正直インパクトに欠けるかなあ。

②読売新聞 (1.5)

一面は韓国人女性が入国審査時の生体認証(バイオ)審査をくぐりぬけて、不法に再入国したという記事。これスクープなの?あとはたいした記事もなく、心底がっかり。

③毎日新聞 (3.5)

一面はスクープ。昨年の三菱UFJのモルガン出資決断の際、出資をしてくれるのなら見返りとして06年の三菱UFJ現地法人の処分(業務改善命令の一種)を撤回すると、FRBから申し出があったという内容。話自体はとても興味深いのだが、残念ながらやはり事後の話であり、これが明るみに出たからといってあまり大きなインパクトはないというのが「スクープの毎日」としてはさびしい限り。

社会面は秋葉原事件について。加藤被告の事件前の仕事仲間の思いを率直に綴っている。加害者側からの報道だけれど、読ませる内容。

④日本経済新聞 (3.5)

景気は悪くなっても、元気な企業や、不況をチャンスと捉える企業は多い。様々な分野でこうしたサバイバビリティ溢れる企業や人を取り上げているのは非常に好感が持てるかな。でもいかんせん上場企業の登場回数が多過ぎる気もするし、何よりスクープ性に欠けていて、もうひと伸び欲しいところかな。

⑤産経新聞 (2.0)

東西冷戦終結から20年。その冷戦主役のアメリカと、終結の象徴ともいえるベルリンの壁を擁したドイツ。その二国を元に、激動が予感される今年の世界を考察する。とあるけれど、うーん。正直ありがちな、小さな政府vs大きな政府の構図を出しただけで終わってて残念。水先案内人の記事はおもしろかった。

⑥東京新聞 (3.0)

「百年に一度」の岐路に立つ日本人がどのように針路を選んでいくのか、そのポイントとなる「選択点」を紹介し、意見を募っている。元日は、ちょっとありきたりだが、生活保護などで福祉を充実させるべきか、就労支援で自立を促すべきか、というもの。一面でネットカフェ難民など雇用の不安定な人々をとりあげて、二面・三面で雇用・福祉政策における与野党の政策の違いを紹介している。やっぱりちょっと普通すぎ。こちら特報部も読み応えが無い。

社会面は連載「農は国の本なり」。今の不況の中、他業種からの人材に期待する企業を紹介して、「雇用を生む、成長産業としての農業」をテーマにしている。もう一つは調査報道。三菱地所が1億円詐取されたという事件。政治性は薄いが、「武富士」の故武井保雄元会長が生前に住んでいた邸宅と敷地が舞台なだけに、ちょっときな臭くてニュース性が高い。

ちなみに、各紙とも5.0点満点で、0.5点刻みで採点させていただきました。ぼくの独断と偏見ですがw。合格点は4.0点以上です(一つもない)。採点基準は、スクープかどうか、特集や調査報道などで意気込みを見せているか、新しい切り口で斬新さをアピールできているか、などです。とどのつまり、ニュース性が高いネタをどれだけ多く提供できているかどうか、ということです。

正直言って各紙とも低調で、その中でも去年のと比べても特に勢いが落ちていると思わずにいられなかったのが朝日新聞。朝日はなんだかんだいわれても朝日なんだからがんばってほしい。正月の紙面を見る限り、今年は紙媒体にとっては想像以上に厳しい年になりそう。これじゃ、この春から新聞・通信社に就職活動しようとしてる学生さんがかわいそうだ。どっかの会社が潰れて合併したり、というのがいよいよ現実になるのかも。これも時代の流れか。

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